Wednesday, August 16, 2006

分けて考える

最近、MBAの後輩と会って話をした。彼は携帯電話会社に勤めていたが、MBA取得後、飲料メーカーに転職した。僕の仕事も消費財なので、業界の話題でもりあがった。

飲料業界では、コーヒー飲料の利益率が高い、味付炭酸飲料は減少傾向、お茶や水は伸びているものの息切れ気味、というのが大筋の流れらしい。最近伸び始めているのが、無糖炭酸カテゴリとのこと。ガス入りミネラルウォーターだけでなく、微炭酸のニアウォーターが代表格。

炭酸飲料の消費は下落傾向だったが、消費者は炭酸がきらいなのではなく、味のついた甘い飲料を敬遠していたわけだ。なので、無糖の炭酸飲料という今までに「あるようでなかった」カテゴリが人気とのこと。
マーケティングや商品開発の言葉を使えば、「ブランドポートフォリオのバキュームゾーンを狙う」、「ターゲットを絞ったカテゴリマネジメント」、「消費者ニーズに見合った商品開発」となるのだろうが、いまひとつ腹落ちしない。何かもっとわかりやすい言い方はないだろうか。

Saturday, March 30, 2002のエントリーでも似たようなことを書いているのだけれど、「二兎を追うもの一兎をもえず」、これだ。複数のことが混ざっているものやことを当然と思って、見落としていることは意外に多いようだ。そんな時は、思い切って一兎に目を向けてみるのも解決策になるのかも。
一石二鳥って言葉もあるよ、なんてつっこみは、ひとまず置いておこう。

Monday, July 17, 2006

卵料理

冷蔵庫に卵がたくさん入っている。生協の宅配パルシステムを使っているのだが、毎週届く卵に首をかしげていた。どうやら間違えて「毎週配達」の扱いとして6個入り卵パックを注文していたようだ。

冷蔵庫にズラッと並んだ卵を見ていたら、中学の家庭科の調理実習で卵焼きを作ったとき、クラスで一番上手に焼き上げたことを思い出した。
作るとするか。オムレツだ。せめてチーズでもあれば良いのだが、具になりそうなものは何もないので文字通りのプレーンオムレツにしよう。

卵を二つお椀に割る。箸で切るようにカッカッカッ、チャッチャッチャと混ぜる時の音が好きだ。空気を混ぜ込むイメージで混ぜるとフンワリした焼き上がりになる。砂糖を多めに入れると焼き目に艶が出るのだが、厚焼きにするとき以外は味を調える程度で十分だ。

暑く熱したフライパンにバターを垂らし、一面に卵をジュッ。片面にだけ火が通ったところでトントンと片方の端をめくりあげ、
火から少し離してフライパンを持つ手首をトントントン。
これで「表面に火が通り中はトロリ」の出来上がり。

普段から料理をしている人には何の変哲もなく珍しくもないだろうし、ましてや日記に書くことでもないだろう。けど、たまに作ると妙に楽しいのだよ。ほんじょ風に言うと、へもい感じがね。

Saturday, July 08, 2006

明治魂

大学の学部は明治大学の理工学部だった。その後大学院に2つ通ったけれど、校歌を歌える母校は明治だけだ。

明治で在籍していた研究室のOB会に行ってきた。毎年七夕前後におこなうので、「七夕会」とベタな名前だ。
久しぶりに行った明治大学理工学部の生田校舎は新しいビルが建ち並んでいた。しっかり勉強しろよ、後輩ども。明治は大学生協が破綻してしまったので、コンビニが学内に並んでいた。大学と言えば、掲示板に休講や試験日程、レポート課題が貼られたものだ。しかし今は無線LAN経由でPCやPDAで参照とのこと。隔世の感。

冒頭、教授の挨拶で、「退官を数年後に控え、まだまだ衰えていないが今後のことを考え始めている」と。僕が卒業してから13年か。僕よりもかなり年長の先輩も参加し、それなりに盛大な会だった。近況を恩師や先輩、現役のゼミ生と交わし、いつもながら「君みたいなキャリアの人間は学生にも卒業生にもいないよ」とのコメントをもらう。そうでしょうとも。自分でもそう思う。

昨年に新しくできた食堂内のホールが会場だったが、その後研究室に移動。品質管理のゼミではあったが、多種多様なシミュレーションに接する機会があった。制御工学を学んだロボットアームが健在。PC-9801VMというポンコツPCも健在。絶対座標と相対座標に悩まされたものだ。さらにTandyのTRS-80まで。ある意味で、お宝。

研究室を片付け、教授に「また来年」と挨拶したところ、「星君、この先、この研究室を率いてみないかい」。
一瞬の間をおいてしまったが「博士が必要ですね。まずは論文を提出します」と返答。久しぶりに書いてみるとするか。

Sunday, June 04, 2006

コーチングとかナレッジマネジメントとか

ネットでのあるコミュニティに参加している。

「Macを教える・教わる」というコミュニティだ。


このコミュは非常に不思議なコミュで、Macについての質問が投げかけられると、とことん答えていくことが当たり前になっている。また、ここで知識を得た人は、次から教える側になろうという意識が自然と芽生える。たしかにネットにお約束の「荒らし」が全くないわけでもないが、実に健全な運営が管理人と参加者の尽力で実現されている。

これはなぜだろう。清と濁があれば、濁になりやすいネットの世界で清の部分が強く表れるのはなんでだろう。

このコミュで投げかけられる質問の中には、いわゆる「教えて君」なものから、質問者の使用環境固有のものまで全てが含まれる。そんな幅広い質問に答える人はさぞ広い知識を持っているんだろうと思われるだろうが、それはチト違う。
答えの大半は、「○○を調べてみましたか?」、「コンピューターの仕組みは...」、「ケーブルが断線しているのか、コネクタがおかしいのか、アプリがおかしいのか、OSが不調なのか」のように、
・相手に受け身ではなく自発的に調べることを促す
・現象だけでなく本質を理解させようとする
・ものごとを構造化して原因を切り分ける
さらに、
・こちらに過去の関連トピックがありました
・類似の質問がここにあります。ヒントになるかもしれません
と、過去の先人の例と経験に学ぶことを示唆する。
まさに最近流行のコーチングと、ともすると禅問答に陥りがちがナレッジマネジメントが実践されている場のように見える。

なにもこの分野の専門家が揃っているコミュではない。あくまで、「自分が困ったときなら、こう言ってもらえたらわかったのに」、「僕もこうやって人に教えてもらって詳しくなったんだ」という経験を忘れずにいる人が揃っているだけのことだ。で、このコミュで質問した人は、自ずと次から教え上手になっていく。なぜか。教え「方」ではなく、アドバイスすべき「こと」が何なのかを経験から学ぶからなんだろう。

Monday, May 29, 2006

続編ビジネス

このブログの過去エントリー(April 15, 2004、January 8, 2004 、September 8, 2000)でリバイバルについて書いたことがある。 過去のコンテンツの使い回しや過去の流行の復活は、創造性の欠如につながるというのが僕の意見だ。

しかしながら、ほとんどマンネリと思えるような続編ビジネスもそれなりに流行っている。映画にその例が顕著だ。ヒットした映画はたいてい「...2」といった続編が作られる。
今年から来年にかけては、ランボー、ロッキー、ダイハードのような10年以上前にシリーズが完結したと思われていた作品の続編がこぞって公開される。

続編ビジネスは、その間隔が短いと全作の勢いを継続させられる。作品同士を予告版のように扱えるメリットがある。古いところではバック・トゥ・ザ・フューチャー、最近ではマトリックスがの例だろう。
間隔が長い場合は、往年のファンには郷愁を、新たな映画ファンには新鮮さを与えることができ、複数の顧客層をターゲット化できる。

この2つのやり方、どちらが商売的に美味しいのか、どういう内容の時はどちらの方法が良いのか、何かしらのパターンがあるかもしれない。
それぞれの映画の収益性を調べてみると何かがわかりそうだ。

映画の他に、このやり方を当てはめられる業界はどこだろう。

Wednesday, May 17, 2006

SOYJOYのCM

みのもんたが大豆の良さをアピールし、「ビズブレイク」といったコピーで商品を位置づけようとするあのCM。
商品はそれなりに良さそうですが.....

「みのもんたって時点でダメ。」

そう思ってる人、多いですよね?
消費者の目で見るとそうかもしれない。では制作側はどういう視点で、どういう意図で 、誰をターゲットとしてこのCMを作ったのか。

この商品、僕の年代、30代の男性にも女性にも人気がある。店頭で買い求めている姿を見かけるし、実際に食べている姿を見かけることもしばしばだ。しかし、彼等はみのもんただから買ったというより、健康によさそう、腹持ちが良い、片手で食べやすいといった製品の機能や特徴が購入の動機と思われる。
むむぅ、なぜ「みの」なのか....

「みの」といえば、40代50代の主婦層に圧倒的に支持されていると言われている。この層の人たちはSOYJOYのような簡易機能系食品を食べるだろうか。おそらくは台所に立ち自分で食事を作るだろうし、出来合いの食品には割高感を感じて敬遠するのではなかろうか。SOYJOYのターゲット顧客となり得ない気がする。まぁ、中には「みのさんの...」と興味本位で商品を手に取る人もいるかもしれない。

ん?ひょっとするとこんな仮説が成り立つのか?

CMキャラクターが誰であれ、この商品を購入する顧客層が存在する。CMキャラクターの起用で需要を喚起できそうな顧客層も存在する。そうであれば、潜在顧客を刺激するキャラクターの起用が得策だと。

製品自体に特徴があり明確な差別化が図られていて、一度でもトライアル(試食)させれば高い確率で継続購買につながるという自信がある場合には、一見嫌悪感を感じる売り方も成功することがあるということか。

黙っていても買ってくれる顧客層、背中を押せば買ってくれる顧客層、一度試せばクセになる商品特性、この3つが存在する場面に応用が効く訴求方法かもしれない。

Sunday, May 07, 2006

エビちゃん

エビちゃんのファンの方には申し訳ないが、別に可愛くないと思います。なんで人気あるんだろ。わかりません。
ここで終わってしまうと、現象を述べているだけなので、もう少し踏み込んでみよう。僕がエビちゃんに嫌悪感を感じるのはなぜだろう。

見た目やしゃべり方、演技での好き嫌いは百人いれば百通り、千差万別なので主観に頼る部分はおいておこう。ではなにか。「エビちゃんファッションっていいよね」、「エビちゃんが着てた服って...」こういう表現が気になる。
つまり、僕はエビちゃん本人が好きか嫌いかなのではなく、メディアが「こういう人が可愛いんです、今は」と作り出した偶像を無批判に受け入れて、エビちゃんのマネをすることがおしゃれでファッションだと認識している消費者に対して虫酸が走る。

情報が伝達するスピードが上がり、トレンドを消費者が入手しやすくなったとか、消費者が賢くなってきたと言われるが、果たして本当だろうか。
メディアへの露出が高い物に消費や関心が集中する現象を見ると、消費者はより受け身の立場になっているのではないかという気がする。

さて、では何をどう売ればよいのか。みなさん、どうでしょう。

Saturday, April 29, 2006

格差社会なんていうけどさ....

昔っから、格差ってあったんじゃないか?
・同じ街の中に金持ちも貧乏もいる
・同じ年代でも高い給料もらってる奴がいる
・同じ仕事してるのに、都会と地方では給料が違う
・若年層より高年齢の方が給料が高い傾向にある
・一般社員より管理職の方が給料が高い
・あっちの会社の方が平均給与が高い
・あいつの方が頭が良い
・あいつの家は広い
・あいつは僕が持っていないおもちゃを買ってもらっている
・あいつの方が背が高い
・あいつの方が僕よりモテる


格差社会の是正っていうけど、格差って一体何?是正するとどうなるの?おしえて、偉い人。

Monday, April 03, 2006

リーダーシップ

読もう読もうと思って本棚に埋もれていた本を読み始めた。今流行の「リーダーシップ」についての本だ。
言われればみんな頷くことを明快に表現している。例えば、

日本では、現場の仕事は忘れてしまったよと言うと、何か自分が偉くなった気分になる管理職が多い

昔はこうだった、オレはこんな風にしてやってきたなどと、いま現場で働いている人からすると、全然肌にあわない奇妙な精神論をぶって、一人で満足したりする。

部下や社員の才能を伸ばせないという損害は目には見えないが、組織にとってはこれが最も大きな損害だ

なるほど。実に納得感と示唆あふれるメッセージが織り込まれている。ジャック・ウェルチ、カーネギー、一條和夫...著名なリーダーシップの本は何冊か読んだが、これほど腹落ちする本はなかった。

この本、「いまリーダーがなすべきこと」という本であり、元NHKの鈴木健二氏の著作だ。1984年刊。20年前の本だ。
まだ中学生だった僕に、「いつか必要になったら読め」と渡された本だ。

赤線を引きながらむさぼるように読んでいる。

Friday, March 17, 2006

「見える化」?

具現化だの見える化だの、一般にはなじみにくい言葉をよく見かける。「言うだけでなくアイデアは実現させろ」の意味でホンダが言い出した具現化、「問題を隠すな」とトヨタが言い出した見える化。


まぁ、どちらもごもっともな意味なのだが、見える化にはちょいと疑問。見える化の意味は理解できるけど、使われ方が疑問だ。


人間がやっていること、これからやることの道筋と課題を属人化せずに目に見える形にすることが「見える化」だ。つまり、今日やることリスト、課題一覧、日報、締め切り一覧、これらのものがあてはまる。
なのに、どうも「今までに見落としていた、気づかなかった、未知の、斬新な考えが思いつく」ことを期待する意味で見える化が使われているように思えてしょうがない。なんとも受身なのだ。


社会人になりたてのころ、「今やっていること、これからやることを順番に紙に書き出すクセをつけろ。」と叩き込まれた。曰く、「それができない人間に限って、段取りや見通しが甘く、行き当たりばったりな時間の使い方になる」、「今やってます、もうちょっとで終わりますじゃなく、今ここをやっています、あとこれだけの作業が残っていますと客観的に伝えられるようになれ」と。


僕は見える化との表現を見かけるたびに、「自分がやっていることや経験を、他人に見せる努力、伝える努力」と読み替えるようにしている。

Saturday, March 04, 2006

譲れないことがある

大げさなタイトルだけど、書くことは実に簡単な話。

携帯電話の販売コーナーを通りかかった。僕は今auのA5404Sという機種を使っている。携帯に詳しい人なら、「2年以上前の機種」、「auなのにwinじゃない」、「発売後1年も経たずに廃盤となった不人気機種」との感想を持つだろう。

たしかに見た目はゴツイし、デザインは気に入っているが、一般的には賛否別れるに違いない。
僕がこの機種に変更したのは2004年の秋だったと思う。その当時はすでにwinもあったしezサービスも拡大していた。なのになぜこの機種にしたのか.....

モックを手にとって、二つ折りをカパッと開けてみた。心地よい。なんでだろう。もう一度カパッ。ん?カパ...?ん、ん?
この機種は開けたときにほとんど音がしない。手応えで「クッ」と感じる程度だ。最新機種を含めて二つ折りの機種はカチャッ、カチッ、チャッ、ガチッと音がする。この音が妙に耳障りで馴染めない。モックだからかと思い、実機を見せてもらったが実機でも音がしない。
「これだ」と、迷わず決めた。

実は、auの新モデルneonが気になっていたので、機種変更も考えていた。直線的なデザイン、陶器のような質感が気に入っていた。店頭に並び始めたので早速手に取った。開けてみた。
「カチャッ」
そっとneonを棚に戻して立ち去った。

Thursday, February 02, 2006

理由が知りたい

ビジネスホテルの東横インの事件がテレビや新聞を賑わしている。事件の大筋は、「建設完了検査時の駐車場を会議室やレストランに改造したりといった無断改築により、法定容積率を超えている」とのことだ。また、社長の「制限速度60kmのところを67~8キロで走っても大丈夫だと思った」などの開き直りに近い弁明も紙面をにぎわせている。

東横インは90%以上という圧倒的に高い回転率を誇り、優良ホテルとしてビジネスホテル業界の雄とされてきた。女性を多く登用、ホテルの支配人に運営の権限を委譲、他店舗の成功例を共有など、経営のケーススタディとしても使えそうな経営手法を採用してきた。
そのような優良企業が利益追求のために道を踏み外したことは残念に思う。

東横インの社内研修の内容や企業文化が従業員や関係者へのインタビューで明らかにされている。その中の一つ、「自分を見つめなおすべく個室で何時間も過ごす」研修が紹介されていた。これについて、朝の番組のコメンテーターが「独房のようですね」、「洗脳させようとでもしているのでしょうか」と話していた。しかし、この研修内容は、多くの企業で取り入れられている。特に外資系企業での導入が盛んだ。「ソロ・ビバーグ」と呼ばれるこの研修は、山中で丸一日を一人だけで、最低限の食料で過ごす。管理職や経営層向けの研修として定着している。組織は個人の集合なのだから、個人が価値観や、やりたいことややりたくないこと、目指す人生を考える良い機会となり、なかなか好評のようだ。日本の座禅に通じるものがあると思う。
先のコメンテータは、名の通った企業がソロ・ビバーグを取り入れている場合であれば、きっと「革新的ですね」、「やはり個人を重視している会社は素晴らしいですね」と言ったはずだ。

その会社が何をやっているかなんてどうでもいいではないか。なぜそういう事件が起きたのかを知りたい。原因がわかれば解決策も自ずと見えてくるものだ。

東横インが「自分を見つめなおすべく個室で何時間も過ごす」研修を導入していたことと、無断改築をしたことは関係ない。利益追求が行き過ぎたことが無断改築を招いた原因だと思う。
これは、昨年から続く日本航空の事故やトラブル、マンションの耐震性偽装事件、ライブドアの粉飾のどれにも相通じるものだ。
自分の利益を追求すれば、相手に犠牲が生じる。win-winの関係という言葉も、2者が共通の敵を見つけたときに成り立つだけだ。2社がwin-winになるとき、必ず誰かが犠牲になっている。
人間が自分の利益を追求することは本能というか本質なのだと思う。だからこそ、どの宗教でも何千年も前から、自分を犠牲にして他人に貢献する自己犠牲が尊いものとされているのだろう。

Wednesday, February 01, 2006

統合とか集約は一長一短

携帯電話の機能がてんこ盛りになってきた。携帯一つで、音楽のダウンロード購入ができます、suicaもすいて改札ラクラク、edyだってついてます、なんなら三井住友のクレジット機能も.....。

便利になったものだ。素直にそう思う。
でも僕は使わないサービスだし、端末も買い換えない。

「これ一つで何でも」は「これが壊れたら全部パー」と同義だ。僕は個別機能に特化したものを使い分けるほうが好きだ。格好よく言えば、ポートフォリオ分散、リスク分散による被害の最小化だ。

僕が何をどう使うかはおいておいて、僕が不思議に思うことは、「なぜに携帯電話となると機能てんこ盛りがもてはやされるのか」ってことだ。
例えば、ビデオデッキとテレビが一緒になったテレビデオ、洗濯機と乾燥機が一体になった選択乾燥機がある。こんな製品が発表された時の市場の反応は、「ビデオが壊れたらテレビごと買い換えなきゃいけないの?」、「乾燥中は洗濯できないんでしょ」といったものだった。最近は配線が簡単とか、時間がかかっても乾燥までできるほうがラク、といった理由でどっちの製品もそれなりに売れているようだが。

どうやら見た目の大きさと必要な作業に理由があるのではないかという気がする。テレビや洗濯機が壊れたら大変だ。量販店にでかけて、あれこれ悩んで機種を選ぶ、配送を頼んで設置してもらう。設置する人が家に上がりこむので掃除しておかなきゃ。今度の大きいテレビや洗濯機、玄関入るかな?エレベーターで運べるかな?....などなど。これは大変だ。自分だけじゃなく相手のある作業は気を使う。
けど、携帯だったら、箱だって小さいしその場で買えば使える。置き場所や設置場所を考える必要はない。購入から使えるようになるまでのプロセスが自分の中で完結する。

この見た目の手軽さが、一つのデバイスに知人の名前、電話番号、メール、誕生日(暗証番号となっている場合が多い)、電子マネー、クレジット、音楽購入(持ち主だけではなく、手にしている人が買えてしまう)、など多くの機能が集約される危険性を隠しているように思う。




ここまで書いて、「ん?前にもこんなこと書いたな」と思い出して僕のwebサイトのエントリを検索してみた。
Friday, September 29, 2000  メディア再考
Friday, October 19, 2001   3G携帯電話
Wednesday, February 16, 2005 メールとデバイス
似たようなことを考えたり書いているけど、時がたつにつれ少しずつ変わっているのがおもしろい。

Sunday, January 29, 2006

呉越同舟?敵に塩?

ユニクロとダイエーが提携のニュースを聞いて、
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20051023AT2F1500M22102005.html

以前におこった両社間の係争を思い出した。
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2001/08/16/news_day/n1.html
2001年8月のことだが、ダイエーが直営衣料店「PAS」を展開した際、品揃え、ロゴ、カラーリングがユニクロに類似していると申し立てた件だ。たしかダイエーがロゴやカラーリングの変更をしたことで和解に至ったはずだが。

まだ当事の担当者も多く在職しているだろうし、社内の人から見れば記憶に新しい件のはずだ。
舌の根も乾かぬうちに、今度は同じ相手と提携か。ダイエー、混沌としてきた。

Tuesday, January 24, 2006

注目を浴びたいのはわかるが...

社民連代表、政策集団「シリウス」の旗揚げと、それなりに政界を賑わしていた江田五月氏。
議員を辞職してまで岡山県知事選に出馬したが、願いかなわず今は民主党に在籍。

さて、その江田氏。久々に発言の機会を得たからか、堀江氏を自民党が応援していた件について発言....

「武部(勤)幹事長も、選挙の応援にまで出かけて、ヒーローにするために血眼だった。選挙での自民党圧勝は、こういう人物により偽装され粉飾されたものだ」

んーと、だな。自民党の得票数は偽装も粉飾もされてないのでは?
姉歯氏やフューザーによる耐震構造計算の偽装、ライブドアの粉飾決算になぞらえたのだろうが、キャッチーな言葉を使いたいなら、「風説の流布」ぐらいにしておいた方が良かったと思うぞ。

Sunday, January 22, 2006

言葉には意味がある。

2005年5/15のエントリでも書いたことだけれど、「これはちょっとなぁ」と感じたニュースを目にしたので。

2006年1/22、毎日新聞より

<サントリー>味とデザイン一新の「モルツ」を3月発売
 サントリーはビール「モルツ」の味や缶などのデザインを一新し、3月14日から発売する。新技術を使ってビールの原料である麦芽から後味を悪くする成分を出来る限り取り除き、「しっかりとしたうまみ、すっきりとした後口」を実現したという。天然水を使用した生ビールを強調するため、缶とラベルのデザインも変更する。

なるほど。人気商品のモルツが成熟期に入ったので、てこ入れして衰退期への移行を阻止することが目的のようだ。それはそれでごく自然な発想だし、認知度が高いモルツであれば一新してもコケることはないだろう。
「しっかりとしたうまみ、すっきりとした後口」。ふむふむ。ん?

また、「うまみ」ですか。旨みはグルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸から得られる独特のものであって、語源は甘みとの説もある。しかしながら、最近は「美味しい」、「美味い」が「旨み」との表現に置き換えられた使い方が目立つ。
今回サントリーが「うまみ」との表現を用いた背景には、消費者が「うまみ」を「美味しい」と理解していることがあるだろう。けど、口語的、常用的な意味だけでなく、本来の意味も知っておきたいと僕は思う。そして、それをわかった上で使い分けたい。

「しっかりとしたおいしさ、すっきりとした後口」こう言って欲しいのだ。少なくとも僕はこの方が受け入れやすい。
「しっかりとしたうまみ、すっきりとした後口」。ビール飲んで「うまみ」、つまりグルタミン酸の味や臭いをを感じたら、その場で吐き出すに違いない。

ちょいと古い漫画を読むと...

小学生のころ、通院していた歯科の待合室にサザエさんの原作がおいてあった。いかにも手書き然とした画に、子供ながらに古くささを感じながら読んだ。他においてある雑誌が週刊新潮やらアサヒグラフの類だったので、選択肢がなかったわけだが。

サザエさんを読みながら、街中の街灯が裸電球だったり、女性が和服を着てタスキがけで家事をしたり、本体の横に手動の絞り器がついた洗濯機が登場したり、おが屑をを詰めた木箱に卵を入れて卵を売りに来る卵屋さんが登場したり、その度に巻末を見て初版が何年なのかを見たものだ。

最近コンビニ行くと、昭和50年代頃の漫画がソフトカバーで復刊されている。中を見てみると、自動車がドアミラーでなくフェンダーミラーだったり、街中に電話ボックスがあったり、職場では男性社員の机には電話で女性社員の机にはワープロがあったり、こんなシーンを見ると「あぁ、たしかにあの頃はそうだった」と思い出す。
台詞の中にも、「最近デューダして喫茶店を始めました」とか、「このお寿司屋さん、コーヒーおいてないの?CMでも”和食の後にコーヒー”ってやってるじゃない」などと懐かしい表現が登場する。

漫画というのは、図らずして文章とスケッチで当時の風情を伝えていることもある。そんなことを考えつつ、コンビニや書店、漫画喫茶ではついつい古い漫画を手にとってしまう。

Friday, January 20, 2006

僕にとってのライブドア

「ライブドアって、無料インターネットプロバイダーでしょ」。これを知っている人はもはや少数派だろうか。

インターネットサービスプロバイダのライブドア社は、接続するとパソコンの画面上に広告が表示されたり、同社のwebサイトに広告を掲載するなど、今では一般的になったwebサイトの広告収入モデルを真っ先に取り入れた会社だった。なので、電話代以外に料金がかからない無料のISPとして加入者を伸ばした。

この会社の創設者は、当時僕が在籍していたAndersen Consulting(現accenture)アソシエート・パートナー(本部長クラスか?)だった伊藤さん達が始めた会社だ。Yosuke Ito the 3rd。伊藤ヨウスケ三世という名の人だった。

好調なスタートだったが、ADSLの登場などネットアクセス環境が変化し、2002年には事業が縮小した。ISP事業からwebサイトの構築やアクセスログ解析に事業を伸ばした。
そして、オン・ザ・エッジ社に買収されてしまった。

買収したはずのオン・ザ・エッジ社は、その名を捨ててライブドアを名乗った。今も名乗っている。


昨今ニュースを賑わすライブドア社。その名前が連呼されるたびに、ライブドアの創業メンバー(堀江氏を代表とするオン・ザ・エッジのメンバーではなく、本来のライブドア創業者)はどんな思いでいるだろうか。

面識があり世話になった人が立ち上げた会社なだけに、気がかりだ。

Thursday, January 19, 2006

171のCM

NTTが提供する災害用伝言ダイヤル。
最近テレビでのCMをよく見かける。

直接利益につながらないサービスのCMか。普通は流さないよなぁ。特別な理由がないかぎり。

災害時の連絡手段をCMで流す理由かぁ.....


備えておくか。

堀江君...

証券取引法違反なんてちっちゃいこと気にするなって。前科がついたってそれはそれでハクだよ。

けどな、けど、せっかく以前にCNNから取材を受けたならさ、せめて英語で答えなよ。

がんばれな。

全国一斉日本語テスト

http://www.atok.com/nihongotest/?w=hmidx

意外とできなかった。悔しい。

Sunday, January 15, 2006

二極化ねぇ...

「いくつもの選択肢がある中で、結果が2つに集中する」ことが二極化だと思っている。
例えば、いろいろな値段の洋服があるけれども、平均単価2000円前後の服と、平均単価15万円前後の服の販売が好調といったようなことだ。3000円、10000円、23000円と服の値段はたくさんあるが、よく売れているのは2000円前後と15万円前後に集中している状況だ。

ところが、である(日経ビジネス誌風)。雑誌やニュースの解説で見聞きする二極化の例には不可思議なものが多い。

たとえば、

ブライダル会社の広告
「結婚に対する意識は二極化しています。理想の相手を求めるか、妥協してしまうか....。あなたはどちらですか?」

海外に生産拠点を移す動向についての記事
「製造業では急速に二極化が進んでいる。海外に生産拠点を移す企業と、日本国内での生産を続ける企業の2つに別れる」

メルセデスベンツについての機内誌のコラム
「メルセデスベンツを買った人にも二極化の現象が見られる。最初からメルセデスを買うと決めていた人と、他の車と比較してからメルセデスを買った人だ」


これって、複数の選択肢から選ばれた結果が2つなのではなく、選択肢自体が2つしかなことを二極化って言ってないか?

言葉が流行ると、それを使いたいがために、無理やりにでもこじつけちゃうものだなぁ。

Monday, January 09, 2006

この三人の共通項はなんだろう

安藤美姫:選考会の前日に利き足の右足を怪我してしまって...
里谷多英:本番前日の練習で転倒して腰をいためてしまって...
高橋尚子:前日の走り込みで肉離れを起こしてしまって...

ま、代表選考に落ちたときは言い訳にできるし、代表選手に選ばれればプロ意識とか美談になる。不本意な成果ながら代表選手に選ばれたときの説明にもなる。
便利だな、本番前日のトラブル。今度使ってみるか。
前日にプリンタが壊れてしまって....、前日に作っていたファイルが壊れてしまって...、前日になってプレゼンの時間を調整したので...、前日に風邪をひいてしまって....。

こんなこと言っても、「段取りが悪い」、「体調管理がなっとらん」って反対に叱られるのがオチか。やめておこう。

ん?体調管理がなっていないって、なんで怒られないんだ?この女子三選手。不思議だなぁ。

Sunday, January 01, 2006

2006年各紙webトップ

国、紙面、それぞれ

asahi.com
耐震偽装、保険で点検

毎日インタラクティブ
酒気帯び運転:神事の列に突っ込み15人重軽傷 青森

Nikkei Net
年賀状、6年連続で減少・郵政公社が配達出発式

YOMIURI ONLINE
神楽の列に酒気帯び乗用車突っ込む、15人けが

Financial Times
Russia prepares to turn off gas to Ukraine

NewYorkTimes
Officials at U.N. Seek Fast Action on Rights Panel

Wallstreet Journal
THE DOW INDUSTRIALS ENDED the year in the red and with their smallest annual move in 79 years, down 0.61% to 10717.50. The S&P 500 rose 3% for the year, while the Nasdaq gained 1.4%.

人民日報 日文版
上海領事館員の自殺、「日本に強い憤慨表明」外交部

朝鮮日報
国軍で活躍中の「軍犬」とは?

CNN
World welcomes in 2006