Tuesday, January 30, 2001

質と量

このページもそうなんだけど、ネットでの日本語ってのは、口語体もしくはすごく
サラッとしたというか、組み立ての甘い文体になりがちだと思う。しかも往々にし
てくだらない内容だったりする。書くときの意気込みというか姿勢に影響してるん
じゃないかと思うのだが。

ちゃんとした文章を書くときでも、ワープロを使っていると、ソファーに座りなが
らとか、布団でゴロゴロしながらなんてことがある。机に向かって、紙にペンで文
章を書くときは、丁寧な字で書こうとつとめるし、修正の手間はかかるし、自然と
緊張するものだ。思わず背筋まで伸ばしたくなる気持ちになる。

パソコンの普及で、会社でも自宅でも、やたらと文章の読み書きの量が増えた。活
字離れを危惧する向きもあるけれど、メールやwebの増加は、明らかに活字(画面上
ではあるが)に接する機会が増えた。

量が増えれば質が下がるってのは、普遍の事実なんだな。

Monday, January 29, 2001

いろんなこと

  クローン人間
ケンタッキー州、1~2年後にクローン人間の「制作」と発表。「自我の複製で
なく肉体の複製だから倫理的な問題はない」そうだ。ちょっと違うんじゃない
かなぁ。バイオを国策として掲げたいじょう、正面切って中止を勧告できない
アメリカの事情。さらに、もしこれがカリフィルニア州やニューヨーク州での
ことだったら、ブッシュ大統領、どうしますか?


ジンジャー
一体なんなのか、もったいぶらずに教えてほしい。

水素エネルギー
エネ庁の実用化戦略研が最終報告。水素エネルギーはクリーンだから好き。けど、
廃棄物が水だから水浸しになるかも。あるいは大量の水素供給のために、今より
もっと高出力の発電所が必要になるかもな。
科学の進歩には、哲学と倫理と常識を。

大久保で犠牲になった韓国の方
内閣は遺族に対してなんらかの感謝や追悼の意を示すべきじゃないか?「Qちゃん」
とか「ヤワラちゃん」とかに賞をばらまくより、よっぽど意義があるぞ。きっと。
たとえ票にならなくても、やるべきことはやろうよ。それが国策じゃないか?
これ、内閣にメール書いておこうかな。

インパク
無駄遣い。森政権崩壊とともに中止してほしい。とはいえ、インターネットは高
コストってことを計らずして証明してくれたことの意義は大きい。

Saturday, January 27, 2001

  ネズミの脳にも人間の脳と同じく「海馬」があるらしい。記憶を司る器官。
で、どうやらネズミも夢を見るらしいんだな、これが。
哺乳類である以上、各器官の構造とか機能はほぼかわらないってことなの
かなぁ。それはそれでなんか不思議な感じ。

Thursday, January 25, 2001

撤退

  セガがドリキャスの生産を中止し、PS2向けのソフトに専念するらしい。
PS2向けのソフト作なら、ドリキャスのソフト作ればいいのに。なんで
わざわざ競争の厳しいゲームソフトに転向するのかなぁ。
ま、いずれにしろ、数年先のケーススタディを賑わすテーマには変わり
ない。

所詮、ゲーム機はゲームであって、PCやテレビや電話を代替するわけで
はないのに、「家庭内ハブ」だの「究極の個客チャネル」とかいって、
はしゃぎすぎ。MSのX-Boxにいたっては語る気にもならないや。X-Box
もPS2も、6年前にバンダイとアップルが開発したPiPinに劣っている
わけだし。

とはいえ、始めることよりも撤退の意思決定の方が経営者にはつらかった
はずで、その決断をしたセガは敬意に値するな。

Sunday, January 21, 2001

消費ということ

  最近、インターネットの検索にはgoogleを愛用している。www.google.com。yahoo
みたいに、株価情報だとかオークションだとかのくだらないサービスはなく、
検索に特化している。で、その検索パワーがものすごい。infoseekも好きだけど、
もっとすごい。

このサイトの検索精度だとか、約4000台のlinuxサーバーが分散
稼働だの、5TBのディスク、検索結果がキャッシュされている、スタンフォード
の大学生院生が開発...なんてことよりも、(もっともこれら自体はすごいこと
なんだけど)やっとパソコンをはじめとした情報技術の分野に「選択、比較」
の感覚が芽生えたことが新鮮に感じられる。

パソコン1台買うにしたって、多くの人は店員の言いなりだったり、友達の助言
や雑誌の提灯記事を鵜呑みにしていた。そもそも「自分で比較する」ってことが
情報技術製品には失われていた。車や家電ではそんなことないのにね。
やっと情報技術産業が成熟期に入って消費者が賢くなり始めたということかな。
パソコン買ったばかりの人が「yahooでオークション、googleでサーチ」なんて
「使い分け」を口に出すようになったことが、当たり前のことなんだけど、
うれしく思える。

人間が持つ「金と時間」という2大コストを払うわけだから、消費者はもっと
賢くならなきゃ。

Sunday, January 14, 2001

それぞれ、都合ってもんがあるのさ

  テレビを見てたら、「21世紀近未来の生活」のようなタイトルで家庭の中に
ロボットが入り込んだり、携帯電話で全てが事足りたり、そんなイメージ映像
を放送していた。僕は科学者だから、自然科学分野の研究テーマとしてそれら
がホットトピックであることは承知している。しかも、もうかれこれ30年近く
議論が続いている。


その番組を見ている間、「?」マークが頭の中を駆け回っ
た。何のためにそれらが議論されているのか、技術の進歩以外に目的がある
のか、それが全く見えてこない。何が有り難いのかがさっぱりなんだよね。
つい先日、ある携帯電話会社に出かけるチャンスがあった。未来の携帯電話や
数々のコンセプトモデル、携帯電話を駆使したマンションとか色々なもの見せ
てもらった。ところが、なんだよね。未来が見えないわけですよ。あの会社が
携帯電話を売って儲ける以外の未来、つまり社会に貢献したり、人間に貢献し
たりっていう未来が見えない。科学者や技術者、そしてインフラや製造業に属
する企業の使命は社会の貢献につきる。その発想をあの会社はなくしてしまっ
たようだ。

さて、僕は科学者であると同時に経営コンサルタントである。ここ数年、何か
が流行ると全てがそっちに向かい、馬車馬になってしまう状況が加速されてい
る。この状況の原因を探ることは僕のコンサルタントとしての役目だと思って
いる。経営や販売・マーケに従事する人間は自分で何かを作り出すことができ
ないため、どうしても小手先のごまかしやセールストークとマーケの手法に依
存してしまう。さらには常に変化し続け、購買し続けなければいけないという
資本主義においては、停滞や現状維持が許されない。その結果どうなるか。最
先端の技術、流行、コンセプトを自ら作り出し、そこで儲けていく仕組みが必
要になる。新しければそれで良いのだ。貢献だとか長期的視野は求められな
い。つまり、「言ったもの勝ち、売ったもの勝ち」の構図ができあがる。
サービス業やエコノミストの常套手段。

一つの流行を、技術、経営、人間心理・組織、社会学、財務、法律などの多くの
視点で見る必要性がもっと見直されるべきだと思う。そして、そういう人材を目
指していくことが今後のリーダーに必要だと思う。
「企業の経営責務としてはこう考える」、「自然科学からの意見はこうだ」、
「ちょっとまて、それは現行の社会にそぐわない」、「法整備が未熟だ」こんな
風に、お互いの立場と都合をぶつけあってこそ、本当の結論がみえてくるので
はないかなぁ。