Tuesday, August 20, 2002

ワン切り

NTTがワン切り業者に対し回線停止、なんてニュースを見かけるけ
ど、これはワン切りによる被害を防げるのだろうか。

ワン切りによる被害は2つある。1つ目はワン切り業者の無差別な発
信により電話回線がパンクし、通常の通話に支障が出る。2つ目は
ワン切り後に受信者が不用意にもかけ直してしまい、後から高額な
料金を請求される。

NTTによる回線停止は、1つ目の被害を防ぐに過ぎない。2つ目の被
害を防ぐには、ワン切り業者を特定できているのであれば、その
番号を移動体通信会社に知らせ、その番号への通話をできないよう
にしてしまえば良い。
これができない理由はただ一つ。携帯電話会社がワン切り業者への
かけ直しで通話料を儲けているからだ。技術的にはなんの困難も
問題もない。

ワン切り、出会い系サイト、この2つが携帯電話会社にとって少なく
ない収入源になっているのはどうも異常。で、社会問題になってい
るこの2つの陰で喜んでいる携帯電話会社はもっとひどい。

Thursday, August 15, 2002

タマちゃん

多摩川に出現したアザラシ、タマちゃんが連日テレビをにぎわして
いる。家族連れや野次馬がタマちゃんを一目見ようと河原におしか
けているようで、ちょっとした観光スポットになっている。

アザラシにとって生息可能とはいえ、決して適した住環境ではない
だろう。群れではなく一頭なのだから繁殖することもあり得ない。
しばらくは多摩川で生きていくのかもしれないけど、それでいいの
か。

もしタマちゃんがアザラシではなく、他の動物だったらどうなって
いたか。例えば、動物園から逃げ出した大型動物だったり、凶暴な
動物であれば即刻、捕獲となるだろう。人間に直接かつ大きな被害
を与えないような動物、たとえばタヌキやイノシシが都市部で発見
されたとしても、おそらく捕獲されるだろう。
タマちゃんは水生動物であり、陸と川の中と物理的に分離している
から、人間と直接的かつ物理的な接触がない。けど、だからといっ
て、害がないから静観というのは納得できない。人間から見た主観
というかエゴで捕獲や処分、静観といった手段が選ばれることが、
動物にとって良いのかどうか。

僕は、タマちゃんは捕獲して、水族館で飼育するなり、本来の生息
域に届けるなりすべきだと思う。このまま多摩川に放置しておいた
ら、必ず短命で死ぬ。生息可能であることと、適した住環境は意味
が違う。あと何日か何ヶ月かして、タマちゃんが死んだり目撃され
なくなってからでは遅い。
けど、悲しいことに、その時に「もっと早く捕獲するなどの手だて
は打てなかったのでしょうか」と言い放つニュースキャスターが目
に浮かぶ。

Monday, August 12, 2002

世代交代、呉越同舟

世の中お盆なので、怪談話が氾濫しています。午前中のテレビ番組
のほとんどが怪談コーナーを持っている。まぁ、怪談は毎夏の恒例
だけど、いつもと違うことに気がついた。稲川淳二がいないのだ。
そしてその代わりになぜか「つまみ枝豆」が大躍進。

稲川淳二といえば、TUBEと同じぐらい夏限定の季節商品。その稲川
さんが今年の夏は、テレビで怪談を語っていない。どうしたのだろ
う。もしや体調でも崩されたゥ、あるいは彼岸に連れ去られたかと
思っていたら、「稲川淳二公式サイト」を活動の拠点に移したそう
です。ビジュアルと視聴者からの鮮度が命のテレビ活動は控えめに
するらしい。そういえば、桜新町にある稲川氏経営の焼き肉屋も店
じまいしてました。あの店も営業中から廃墟感漂うビルだったな。

芸能人というのはマーケティング手法のかたまりだと思う。芸能人
のキャラクターについて、縦横の軸でフレームを作る。そこに芸能
人をマッピングする。競争が少なく高収益(演歌の大御所とか?)
なセグメントは現状維持。競争が激しいけど高収益なところ(連ド
ラ)には集中投資。で、先細りかつ収益低下からは撤退。
稲川さんの場合は、怪談という市場は存続するも、稲川という商品
力の低下をご自身か周囲が気づいた結果だろう。プロダクトライフ
サイクルに沿った最適なチャネル戦略と言い換えられよう。

しかし、稲川淳二のあとを、つまみ枝豆が継ぐとは。僧侶とか霊能
者とか、怪談の世界で実績のある人が稲川淳二が築いた市場を牽引
するのではなく、タケシ軍団の一員という、なんの関係もないとこ
ろから出てきた人がその市場を覆す。なんだか、クリステンセンの
disruptive technologyだな。
稲川さんには、「ディフェンディングチャンピオンの粘り」を期待
したい。新しいものが古いものを駆逐するのではなく、全ては補完
的で協力的な関係にあるのだから。実は、クリステンセンはこの点
を見落としている。
破壊的な世代交代ではなく、呉越同舟。そんな社会や生き方を目指
したいな。

Thursday, August 01, 2002

個人情報?

住基ネットだなんだと、やたらに「個人情報」だの「セキュリティ」
なんて言葉が氾濫して、ヒステリックに反対している人が目につく。
そもそも個人情報ってなんだろ。
そんなことを考えていたときに「携帯電話で個人情報流出」なんて
ニュースが目に留まった。

そのニュースによると、「○○社の携帯電話にはHPのアクセス履歴
が残る」ことが個人情報流出につながるらしい。○○社は端末のリ
コールを始めたらしいけど、何かおかしい。端末にアクセス履歴が
残るのは当たり前じゃないか?

携帯でもPCでも、アクセス履歴が残っているからこそ、「前へ戻る」
とかの機能が実現されるわけだから、履歴は残って当たり前だと思
う。さらに、企業のHP管理者なら当然、アクセスしている人が、ど
このサイトから飛んできて、どこで抜けて、どこに行ったかという
いわゆる「クリックストリーム」を監視しているはず。これは、
アクセス状況やネットワーク負荷の監視だけでなく、顧客の購買パ
ターンの識別や、あるキャンペーンの効果測定など、マーケティン
グにも活用されている。
仮にアクセス履歴が残ることすら個人情報管理の視点から「言語道
断」というのであれば、当然、webへのアクセスログを保持、活用
している企業は「問答無用」だよねぇ。個人情報を使えなくなっ
たら、企業ではデータマイニングもセグメンテーションもできな
くなって、ベタな営業しかできなくなるじゃん。

お、ここで思い出した。たしか、住基ネットに反対している人の
中には、「自治体の中にはアクセス履歴の監視や保持ができていな
いなど、個人情報管理やセキュリティ意識が不十分」なんてネタで
反対している人がいたな。履歴は持っちゃいけないの?持たなきゃ
いけないの?
わけがわからん。「何でも反対」のプチ左翼というか、進歩派とい
うか、いい加減にしてほしいな。

自分のことは自分で守れ。公表したいことは自分で触れ回れ。
やばい買い物はカードでなく現金。他人に知られて困ることは
言うな、やるな。
それで済むことなのにねぇ。