Thursday, August 15, 2002

タマちゃん

多摩川に出現したアザラシ、タマちゃんが連日テレビをにぎわして
いる。家族連れや野次馬がタマちゃんを一目見ようと河原におしか
けているようで、ちょっとした観光スポットになっている。

アザラシにとって生息可能とはいえ、決して適した住環境ではない
だろう。群れではなく一頭なのだから繁殖することもあり得ない。
しばらくは多摩川で生きていくのかもしれないけど、それでいいの
か。

もしタマちゃんがアザラシではなく、他の動物だったらどうなって
いたか。例えば、動物園から逃げ出した大型動物だったり、凶暴な
動物であれば即刻、捕獲となるだろう。人間に直接かつ大きな被害
を与えないような動物、たとえばタヌキやイノシシが都市部で発見
されたとしても、おそらく捕獲されるだろう。
タマちゃんは水生動物であり、陸と川の中と物理的に分離している
から、人間と直接的かつ物理的な接触がない。けど、だからといっ
て、害がないから静観というのは納得できない。人間から見た主観
というかエゴで捕獲や処分、静観といった手段が選ばれることが、
動物にとって良いのかどうか。

僕は、タマちゃんは捕獲して、水族館で飼育するなり、本来の生息
域に届けるなりすべきだと思う。このまま多摩川に放置しておいた
ら、必ず短命で死ぬ。生息可能であることと、適した住環境は意味
が違う。あと何日か何ヶ月かして、タマちゃんが死んだり目撃され
なくなってからでは遅い。
けど、悲しいことに、その時に「もっと早く捕獲するなどの手だて
は打てなかったのでしょうか」と言い放つニュースキャスターが目
に浮かぶ。

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