Monday, August 12, 2002

世代交代、呉越同舟

世の中お盆なので、怪談話が氾濫しています。午前中のテレビ番組
のほとんどが怪談コーナーを持っている。まぁ、怪談は毎夏の恒例
だけど、いつもと違うことに気がついた。稲川淳二がいないのだ。
そしてその代わりになぜか「つまみ枝豆」が大躍進。

稲川淳二といえば、TUBEと同じぐらい夏限定の季節商品。その稲川
さんが今年の夏は、テレビで怪談を語っていない。どうしたのだろ
う。もしや体調でも崩されたゥ、あるいは彼岸に連れ去られたかと
思っていたら、「稲川淳二公式サイト」を活動の拠点に移したそう
です。ビジュアルと視聴者からの鮮度が命のテレビ活動は控えめに
するらしい。そういえば、桜新町にある稲川氏経営の焼き肉屋も店
じまいしてました。あの店も営業中から廃墟感漂うビルだったな。

芸能人というのはマーケティング手法のかたまりだと思う。芸能人
のキャラクターについて、縦横の軸でフレームを作る。そこに芸能
人をマッピングする。競争が少なく高収益(演歌の大御所とか?)
なセグメントは現状維持。競争が激しいけど高収益なところ(連ド
ラ)には集中投資。で、先細りかつ収益低下からは撤退。
稲川さんの場合は、怪談という市場は存続するも、稲川という商品
力の低下をご自身か周囲が気づいた結果だろう。プロダクトライフ
サイクルに沿った最適なチャネル戦略と言い換えられよう。

しかし、稲川淳二のあとを、つまみ枝豆が継ぐとは。僧侶とか霊能
者とか、怪談の世界で実績のある人が稲川淳二が築いた市場を牽引
するのではなく、タケシ軍団の一員という、なんの関係もないとこ
ろから出てきた人がその市場を覆す。なんだか、クリステンセンの
disruptive technologyだな。
稲川さんには、「ディフェンディングチャンピオンの粘り」を期待
したい。新しいものが古いものを駆逐するのではなく、全ては補完
的で協力的な関係にあるのだから。実は、クリステンセンはこの点
を見落としている。
破壊的な世代交代ではなく、呉越同舟。そんな社会や生き方を目指
したいな。

No comments: