Wednesday, May 15, 2002

「B」の美学

夜中にサッカーの試合を見ながら、ふと、お酒を飲みたくなった。

何本かのワインを木箱に無造作に入れているんだけど、ワイン専門
店が閉店するときのセールでまとめ買いしたものばかりで、それな
りの有名銘柄が多い。半額以下で買ったので決して高価な買い物で
はなかったけど、定価ではそれなりの値段のもの。さすがにそんな
ものをあけるのはもったいないと思っていたら、一本だけ、1999年
のボジョレーがあった。

そもそもボジョレーである。味や風味に「芳醇な」だの「鮮烈だ」
だの、エセソムリエ気取りの芸能人が口にするような形容詞は全く
あてはまらない。

僕は別にワイン好きでも、ワイン通でもない。産地だの銘柄だの、
何年モノかなんてどうでもいいし、そもそも知らない。その証拠に
この赤ワインのボトルをあけ、グラスに氷を入れて、そこにドボド
ボと注いで飲んでいる。ワイン「通」ならば、コルクを抜いてから
しばらく空気に触れさせ、常温で嗜むのが赤ワインの常識なのだろ
うけれど。
しかし、これが美味い。こんな大雑把な飲み方が美味い。僕の舌が
肥えていないのか、ただ単にノドが渇いていたのか、少し蒸し暑い
からかはわからないけど、ひたすら美味い。

2万円の会席料理も美味しいだろうけど、500円の味噌ラーメンもお
いしい。それと同じことか。B級グルメ、悪くない。