Thursday, October 30, 2003

ドランカー

帰りの電車でほろ酔いの人やグループと乗り合わせることはままある。給料日後や週末、異動がありやすい期末とか、冬には忘年会が増えるし。

酔っぱらいの人は、どうも自分が一番正しい、自分が主役と思って話す傾向にあると思う。一言でいえば自分の武勇伝、言ってみればただの俺自慢なわけだが、常に主語は「俺が」、「私が」だ。同じ席で飲んでいるぶんには、皆それ相応に酔っているので軽めのジャブで否定したり、そうだそうだと同調したり、さらなる俺自慢をかぶせてその場は盛り上がる。これはこれで楽しい。

このノリを電車の中に持ち込まれると、シラフの身にはちとつらい。酒臭かったりたばこ臭いのも多少は仕方がない。酔っぱらいの話題は酔っぱらい同士でしかわかりあえないし、面白くもない。酔っぱらい同士の話題を小耳に挟まざるを得ない立場にもなってくれ、と言いたい。聞き流せればいいのだが、そうもいかない。なにしろ、酔っぱらいは声がでかい。存在を無視しようにも、動きがハデで大袈裟だ。

酒に酔っているなら、時間が経てばシラフに戻る。けど、自分に酔っている人ってのは一生酔い続けるんだろうな。タチが悪いったらありゃしない。

Monday, October 27, 2003

気になるCM

ちょっと前まで放送されていた英会話スクールのCM、妙にひっかかる内容だったので記憶している。最近は放送されなくなっているけど、すっかり記憶に残ってしまった。どこの英会話スクールだったかは忘れたけど。

内容はこうだ。会社帰りに同僚と思われる男女が小走りで英会話学校に向かっている。時間ギリギリに授業に駆け込み、その様子をみた先生が、「Are you good friends?」と質問すると、男性は「Yes」と満面の笑みで答え、女性が「No, we never even walk together.」と答える。ま、これだけのCM。制作者としては、男性の答えと女性の答えにギャップがあるドタバタ感をオチとしたのであろう。

で、何がひっかかるかというと、この女性の返事。友達同士なのかという問いに対して、「まさか、一緒に歩いたことすらないんです」との答え、普通こんな返事するか?日本語でしゃべっている時には絶対こんな返事しないでしょ。「会社の同僚です」とか「まぁ、そうですね」ぐらいの返事が自然だと思う。英会話学校というのは、やたらと大袈裟な表現や仕草を教えるのが目的としか思えないな、あのCMを思い出すと。そう考えると、やたらと「ンフ、アハァ」なんてわけのわからん相づちや、やたらと「you know」を連発する人って多いかも。英会話学校で英会話を勉強したいのか、あるいは外人になりたいのか。何を教えているんだろう、英会話学校。気になる。

ひとつ思い出した、中学校の時の英語の教科書での文例。「Is this an apple? No, it is a banana」。文法的には全く正しい文章だし、疑問文とその答え方を学ばせたい意図も分かる。けどな、誰もリンゴとバナナは間違えないよ。この文章、暗記したところで一生使うことはあるまい。

Wednesday, October 15, 2003

気になる言い回し

糸井重里さんのHP「ホボニチ」にある「オトナ語」のコーナーではないけれど、頻繁に耳にしたりついつい使ってしまう言葉や言い回しってのがある。「~させていただく」、「~の方(ほう)」、「とんでもございません」、このあたりは文法的に間違っていたとしても定着してしまったようだ。

意味が間違って解釈されているものといえば、「力不足・役不足」や「気が置けない」がすぐに思い浮かぶけれど、代表格は「さわり」だろう。よく「時間も限られていまキのでさわりの部分だけご紹介します」なんて使われ方をする。この場合、「ちょっとだけ」とか「始まりの部分」としての意味で使われるけど、本来の意味は「一番盛り上がる部分」だ。歌舞伎だか狂言の世界では、他流を取り込んで創作する場合、「他流に触れる」、つまり「触る」場面で一番の盛り上がりを見せるらしい。これが「サワリ」の語源だ。

さて、言葉が乱れるのは若い世代の特権かと思っていたらそうでもないようだ。昭和の生き証人、道路公団の藤井総裁の日本語は奇怪きわまりない。道路ばっかり作っていたら、脳味噌もコンクリートになってしまったのかと思うほどだ。例えば、「自分の立場に恋々とする人間ではないので、辞職しない」、「断腸の思いで辞職しない」などなど。

僕の日本語もかなり乱れているだろうけど、普段から正しい言葉使いには気をつけたいものだ。横文字の乱発にもきをつけたい。とかいいつつも、きっと「全然OK!」とか言っちゃうんだよなぁ、きっと。