Thursday, July 31, 2003

金銭感覚

渋谷のセンター街で女子小中校生がナンパされて監禁されたって事件がおきてから、しばらくの間ニュースでは「渋谷の実態」だの、「幼女ビジネスの闇」だといった特集が目立った。そんな中で、渋谷に遊びに来ている小学生のお財布事情が取り上げられていた。

渋谷といえば、最近、購買力が低い若年層が多くを占める街となって、百貨店や飲食店の客単価が著しく下がっている。結果として街全体の消費量が伸び悩み、店舗利益が減少して投資意欲が下がり、街が衰退するといったサイクルに入りつつあるらしい。そんな街にやってくる小学生の財布の中に、なんと 7000円が入っていた。「ん~っと、今日は7000円しかないけど」なんてコメント付きで。
まぁ待て、これはテレビだ、演出や絵づくりという名のヤラセがつきものだし、台本や絵コンテだってあるかもしれない。ひょっとしたら子役を使ってるのかもしれない。だってフジテレビだったし。映像の鵜呑みが禁物なのは百も承知だが、小学生が7000円....
サラリーマンの月平均小遣いが3~4万で減少傾向が続いているというのに、子供がついこの間の日経平均株価に近い金額を持ち歩いているのかぁ。

僕が小学生の頃、月にもらっていたお小遣いは500円だった。もちろん、日々必要な物は別途買ってもらっていたはずなので、何がお小遣いで何が違うのかはわからないけど、毎月500円をもらっていた。当時の500円はお札で、少し青みがかった色のお札が妙に高級に見えて、大人気分になったものだ。中学生の頃、部活用に買ってもらったadidasのサッカーのスパイク、1万6千円だった。毎日磨いた。高校生の時、家の近所のスーパーでレジ打ちのバイトをして、初めてもらった給料が月30,000円。すごい大金だった。大学生になってすぐのころ、女の子とデートして二人で8000円ぐらいの食事をした時に、すごく贅沢をした気になった。世間一般ではたしかに贅沢だ。

どれだけ給料をもらっても、宝くじが当たっても、パトロンがついたとしても、あの頃の金銭感覚は忘れずにいたいと思う。「時代が変わった」の一言ではすませたくない。あの小学生の親の顔が見てー!

Sunday, July 13, 2003

ブックカバー

本屋で本を買うときは、本の内容や大きさに関係なく必ずブックカバーをつけてもらう。
ある本屋さんは何色ものブックカバーを用意していて、「何色にしますか」なんて
聞いてくれたりもする。

電車の中や人前で本を広げるときに、「ほーら、僕はこんな本を読んでいるんだぞ」とひけらかすつもりもないし、かといって人前で広げられないタイトルの本を読むわけでもない。表紙の保護(ブックオフに売りに行くときの高値確保)が目的なわけだ。

けっこう利用する書店で、一つだけブックカバーをつけてくれない書店がある。言わずとしれた、amazonだ。買った本を送ってくるときは仰々しい過剰包装に近い段ボールを使って、当然箱にはamazonのロゴがプリントされている。頼んだ本と一緒にブックカバーぐらい同封してくれてもいいのに。カバーぐらい自分でつけるから、ただ同封しれくれればいい。

きっと、日本中ですごく多くの人が同じことを考えていると思う。amazonジャパンの人だって思いついているに違いない。広告効果も見込めるし、それほど費用がかさむとも思えない。十分にメリットがあると思うんだけど、なんでamazonのロゴが入ったブックカバーは存在しないのか。

海外の書店で本を買うとき、「ブックカバーをつけるか」なんて聞かれたことはない。「しおりはいるか」と聞かれることはある。グローバル展開している企業はブランド管理の名の下に全世界共通のオペレーションを好むので、amazon本社のあるUSで本に紙製のブックカバーをつける習慣がない以上、日本だけでブックカバーが提供されることはなさそうだ。「日本ではブックカバーが必要だ」と仮にamazonジャパンの人が本社にかけあったところで、返事はnoなんだろうな。

amazonで本を買うたびに、読み終わった本から外したブックカバーをつけかえている。こうしてamazonで買った本は、周りからはまるで紀伊國屋書店で買われたかのように見えてしまうわけだ。

Friday, July 04, 2003

映画

最近いわゆるハリウッド系ビッグネーム映画の公開が相次いでいる。
ほとんどが前作の続編でハリウッドの台本不足を示しているように思える。

エンターテイメント業界の知人によると、この台本不足はかなり深刻らしい。
日本のアニメや昔の名作、ミュージカルをリメイクして実写版にする動きが多いのも頷ける。ただ、最近の映画には、台本不足云々の前にそもそも中身がないように思える。特に特撮系ハリウッド映画。

つっこまれる前に書いておくと、僕は結構、映画がすき。それもいわゆるロードショー公開される大衆娯楽映画はほとんで観ていると思う。しかも、先行レイトショーで一足早く見る場合がほとんど。少しでも早く見たいのだ。決して、「映画はゴダールだよね。小津も良い味だけど」などとのたまうわけではなく、ひたすら娯楽派。今日も、来週公開の映画を先行レイトショーで見てきました。

最近の映画って、中身がない、何を伝えたいのかがなくなっている気がするのだけど、そう思うには理由がある。一応映画のテーマはあるんだけど、そのテーマで何かを語るのではなく、徹底的にそのテーマを写す。で、「サメの映画って言えば..」、「宇宙人の映画って...」、「隕石がぶつかるのもあったね」、「あと、ほら、カンフーやって銃の弾よけちゃう...」ってな表現でしか映画の感想や特徴を伝えられなくなってる。これが加速すると、どんどん被写体が消費されて、台本不足というか、見せるものがなくなっちゃうんだろうね、きっと。弾をよけちゃう映画の続編なんてひどかったもんなぁ。女の子(天使?)3人組のはどうだろうな。これはまだ観てない。

ところが、である。今日見てきたのは、ネタバレになるので詳しくは書かないけど、未来からサイボーグが来る映画。確かに映画の始まりからアクション、カーチェイス、VFX全開だし、娯楽映画の定番なんだけど、ちゃんと伝えたいことがあるんだよね。見終わった後、すごく良い印象が残った。見終わって、「あ、この映画はこんなことを観客に伝えたいんだ」ってのが残ることをすごく久しぶりに感じた気がする。良い映画だった。