Monday, December 26, 2005

スポーツ選手

スポーツ選手は、とかくテレビを意識したコメントを発する。明日の見出しはこれでヨロシクとばかりに、キャッチー(と思われる)表現を自ら発する。

「前人未到の7連覇」、「オメデタだということがわかり○○大会は欠場させていただきます」、「○で金△で金、○になって金」(女子柔道選手)

「年をとる前に決めたい」(女子フィギュアスケート選手)

「みなさんの応援でとっても楽しい42キロでした」、「またこの場所に帰ってきました」(女子マラソン選手)

「自分の育った地元で、育ててくれたパ・リーグで...」(プロ野球選手)



こういったコメントを見るたびに、「人間ってテレビに出てしまうと、タレントだろうがスポーツ選手だろうが政治家だろうがコメンテーターだろうが、テレビに人になってしまうんだなぁ。いかに格好よく見せるかに走ってしまうんだなぁ」と感じるのだ。


さて、レスリング全日本選手権で10連覇の快挙を成し遂げた浜口京子選手。コメント求められて、「もっと強くなりたい」。
潔し。かくあるべし。

Tuesday, December 20, 2005

昨今の不可解な「知り合うプロセス」

巷ではそれなりに人気のある番組らしい。何人かのグループが、なぜかワンボックスカーに乗り、なぜか各国を旅して、なぜかそのつど繰り広げられる色恋沙汰を垂れ流している番組だ。

(注:意外と視聴率が高い番組らしいので、これを読んでいる人で、この番組のファンがいたらごめんなさい。番組を見ているあなたのことを否定するつもりはなく、その番組を否定するわけでもなく、このテの番組が生まれる背景について書くので、その点をわかっておいてください。)

その番組の特番の予告CMが流れている。予告CMなので、放送予定の場面やキメ台詞が盛り込まれているわけだが、一番最後に流れるキメ台詞、
「出逢ってくれてありがとう」

はぁ?日本語的におかしくねーか?
まぁまぁ、所詮テレビじゃないか。演出だよ、演出。

製作サイド→出演者
「○○ちゃぁん、なんかこう、ググットくるキャッチーなコメント頼むよぉ」

(調子に乗った)出演者→製作
「じゃぁ、こんなんどーっすかぁ?やっぱ俺的にぃ、出会いに感謝ってのをテーマにしたいんでぇ、ストレートすぎますけど、出逢ってくれてありがとうってかんじで」

製作
「いーじゃんいーじゃん、○○ちゃん、ナイスだよナイス。じゃ、そのコメント入るとき、ヨリのヌキでもってってからパンしちゃおっかな。お、そーだ。番組終わっても、△△ちゃん、持ってちゃっいなよ、狙ってんでしょ?わかってるって。」

とか言っているんだろうなぁ。
で、それはおいておいて、本題に移る。

このテの少人数グループ内での色恋沙汰の繰り返し、簡単に言えば、「元カレ/カノも今カレ/カノもみんな知り合い」、の状態がテレビ番組の題材になることは今に始まったことではない。
ビバリーヒルズ青春白書、ナイス・サーティーズ、アリー・マイ・ラブ、セックス・アンド・ザ・シティ、みんな似たような展開だ。日本の番組では、多少古いけれど、金曜日の妻達へも似たような設定になっていた。いわゆるトレンディドラマ、昼メロにはどこかで必ず、過去(以前の恋人)と現在の葛藤がスパイスとして投入される。

このテの題材が扱われることに違いは無いのだが、それが持つ意味合いが変わってきているように思う。
ずっと以前は、愛憎うずまくドロドロ加減、不貞に対する罪悪感、ズルズルと引きずる薄幸さが番組制作側と視聴者側の双方の認識だったと思う。
しかしながら最近は、ようやく本当の相手に巡り合えた、ずっと気がつかなかったけどこんなに近くにいた、のようなメッセージに変わっているような印象を受ける。
言い換えると、「済んだことなんてどーでもいいの。今の相手がいいんだもん。世の中場面でいーんじゃないの?場面で」といった風潮が見え隠れする。
最近の若年層が使う「場面でよくね?」との表現は「スキゾでいこーぜ」と動議だ。
(浅田彰が柄谷行人との対談で、ネットの普及について「これでスキゾの時代が到来する」と言ってのけていたが....)
この風潮は、NANAにも現れている。14巻が発売されたが、なんだかもう、すんごい展開になっている。

で、鶏と卵どっちが先かはわからないが、中高生のコミュニティ意識は、まさに「近場でとっかえひっかえ」になっているらしい。

「コミュニケーションの手段が発達するほど、コミュニティは小規模、少人数になり、委員会的な動きを見せるようになる」という論調は、マーシャル・マクルーハン以降のメディア論者の間では通説とのこと。
人と知り合うきっかけや手段が増えたり発達したおかげで、知り合うきっかけを他者が与えてくれるようになった。自分から積極的に働きかけて人と知り合うのではなく、友達の友達は自動的に自分の友達になってしまう状況とも言える。

「出逢ってくれてありがとう」。実はこんな何語かもわからない言葉が、現状を端的に言い当てているのかもしれない。自分が会ったのではなく、相手から知り会ってくれたんだ。

Saturday, December 17, 2005

回るasimoを見て

ほぼ10年ぶりに制御工学の教科書を開いてみた。
「走る」、「旋回する」ことの制御がいかに困難かを思い出しので。僕は制御工学の試験で出された問題「機械の旋回運動時の重心制御(だったと思う)」を解けなかったことがある。

HONDAのasimo、今度のasimoはさらに速く走り、その場での旋回運動までやってのける。自律制御が可能な人間でさえ、その場での旋回運動は難しい。
さらに両足が地面から離れ、直前の運動の慣性と重力だけで支配される状態でも姿勢制御が可能とのこと。
絶対に何か入っている。誰かが中に入っている。R2-D2だってケニー・ベイカー氏が入っているじゃないか。

こんなasimoを作ってしまうHONDAって、「すげーなぁ」と思う。だからといって、HONDAの車を買おうとは思わないのだけれど。
2006年のF1、ホンダチームのレースクイーンはいっそのことasimoにした方がいいんじゃないか?asimoをLuckyStrikeのペイントにして。
そんな気すらする。

Friday, December 16, 2005

久しぶりに島田雅彦

を読んでいる。
あいかわらず島田ワールド全開。おもしろい。通勤電車の中で読んでいたら、一駅乗り過ごした。

島田雅彦と村上春樹に芥川賞を出さなかった文壇を批判したのは浅田彰だったかな。まぁ、ニューアカ筆頭のアサァダ君としては、旧体制にイチャモンつけなきゃならないんで、言いたい気持ちはわかる。その発言を受け手かどうかはわからないけど、ここ数年の芥川賞受賞基準が、低年齢とか意外性に偏っているような気が。
つまらなかったなぁ、「女たちのジハード」と「号泣する準備はできていた」。

Sunday, December 11, 2005

ジェイコム その2

みずほ曰く「入力後、入力ミスに気がついたが、東京証券取引所のシステムが入力後の数値を変更できないという”不具合”があったために修正できなかった。回避できなかった。」

東証曰く「開発元の富士通と協議の上、対策を講じる」


入力後の数値を変えられるとしたら、それはそれで問題なんじゃないのかなぁ。それって、業界筋の言葉を使えば、不具合じゃなくユーザー要件定義を反映した仕様だったんじゃないの?
ってか、本当にその理由ならすぐにそう言えばいいじゃないか。こんな何日もたってからじゃなく。数日の間に必死で言い逃れを探したんだろうな、きっと。
人的ミス(操作ミス、指示ミス、連絡ミス、確認ミス)をコンピューターのせいにできれば楽だもんな。だって、コンピューターは文句言わないもん。で、さらに開発元(富士通)に責任転嫁できちゃうから、こんなに都合の良い言い訳はない。
そうですとも、人間様は悪くないんです。コンピューターやソフトが悪いんですよね、世の中。

建築物の構造計算の問題、この誤発注の問題、なすり合い体質が同じに見えるのは気のせいか?

Friday, December 09, 2005

ジェイコム

ってどんな会社なんだろうと思って調べてみた。
http://biz.yahoo.co.jp/ipo/html/d2462.html
光通信と似たような事業だ。光通信が破綻したときに「ピカチューショック」などと揶揄されたのに、このような事業に投資するベンチャーキャピタルやファンドが後を絶たないことの方が不可解。
結局、事業内容や理念ではなく、株価が高けりゃ良い会社ってことなんだな、市場の判断は。

さて、そんな当たり前のことはおいておいて....


今回の誤発注、別に珍しいことではなく、オンラインでの受発注になってから頻発している。最近の誤発注で話題になったものといえば、2002年のUBSによる電通株の誤発注だ。電通の株価は公開時60万円程度の読みだったのに、誤発注のせいで40万円程度であったと記憶している。その補填として、UBSが電通と共同通信社に「それなりの額」を支払った事実は公然の秘密となった。

なぜ誤発注がおきるのか。答えは簡単。コンピューターを使うことが、格下の仕事とみなされるから。
どういうことか。

例えば、書面の取り交わしであれば、責任者のサイン、捺印と仰々しい手順の後、相手方の責任者と握手を交わすというなんとも儀式めいた晴れ舞台となる。
ところがコンピューターでの入力となると(たとえそれが今回のように初値での注文であっても)、「コンピューターで打ち込むんだろ。そんな仕事は外注かおねーちゃんにやらせとけよ。」となるものだ。残念ながら、世の中そういうものなのだ。
やっていること(初取引に初値をつける)ではなく、手段(コンピューターでの入力)で仕事と責任の重さを量っていることが原因だ。

Sunday, December 04, 2005

生オケ

夜中にテレビで「宇宙戦艦ヤマト」をやっているのでダラダラとみている。
古代君とか森雪とかなつかしいなぁ。

で、ふと気がついた。映画で使われている曲が全て生音でオーケストラでの演奏のようだ。この映画は僕が小学校の低学年の頃の公開だったと思う。そのころのテレビ場組を思い出すと、オーケストラの姿を目にすることが多かった。特に歌番組では丁寧に指揮者までついていたものだ。全員集合しかり、夜のヒットスタジオしかり、家族対抗歌合戦とかとか....。

小学校の高学年から中学生になるころ、「シンセ」の音一色になった。まだまだ機材が高価だったせいか、YMOだとかハワード・ジョーンズとかによる専門的な使われ方が多かった。僕が高校生になる頃は機材もコモディティに近くなってきて、あらゆるバンドでシンセを見かけるようになった。MIDIの登場も大きいんだろうな。当時の曲を聴くと、DX-7やJUPITER、CZシリーズのプリセット音をそのまま使っているものが多い。
何段にも重ねたキーボードセットに見覚えがあるでしょう。

深夜にヤマトを見ながら、そんなことを思い出した。

Friday, December 02, 2005

やっぱり広告なのか?

TBSとフジが電通株追加取得
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/416925

金余りのネット系企業からの業務提携を迫られた2社が手を結びたい相手は広告屋なのか。
結局、ギョーカイの方が居心地がいいんだね。


マイクロソフト、「Windows Live Mail」のベータ版を公開
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20091982,00.htm?tag=nl

マイクロソフトはOSやアプリケーションをパッケージ販売からサービス提供に切り替えていくわけだが(LiveMailはその最初のリリース)、その原資は
”GoogleやYahooといった大手ウェブ企業に対抗することを強く意識するMicrosoftは、こういったサービスの費用を広告収入でまかなおうとしている。”
とのこと。MSは広告屋になりたいのか?当然、広告代理店も今以上にネットでの広告枠買い付けに躍起になっていくはず。


やっぱり、ギョーカイだよねギョーカイ。