Sunday, January 22, 2006

言葉には意味がある。

2005年5/15のエントリでも書いたことだけれど、「これはちょっとなぁ」と感じたニュースを目にしたので。

2006年1/22、毎日新聞より

<サントリー>味とデザイン一新の「モルツ」を3月発売
 サントリーはビール「モルツ」の味や缶などのデザインを一新し、3月14日から発売する。新技術を使ってビールの原料である麦芽から後味を悪くする成分を出来る限り取り除き、「しっかりとしたうまみ、すっきりとした後口」を実現したという。天然水を使用した生ビールを強調するため、缶とラベルのデザインも変更する。

なるほど。人気商品のモルツが成熟期に入ったので、てこ入れして衰退期への移行を阻止することが目的のようだ。それはそれでごく自然な発想だし、認知度が高いモルツであれば一新してもコケることはないだろう。
「しっかりとしたうまみ、すっきりとした後口」。ふむふむ。ん?

また、「うまみ」ですか。旨みはグルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸から得られる独特のものであって、語源は甘みとの説もある。しかしながら、最近は「美味しい」、「美味い」が「旨み」との表現に置き換えられた使い方が目立つ。
今回サントリーが「うまみ」との表現を用いた背景には、消費者が「うまみ」を「美味しい」と理解していることがあるだろう。けど、口語的、常用的な意味だけでなく、本来の意味も知っておきたいと僕は思う。そして、それをわかった上で使い分けたい。

「しっかりとしたおいしさ、すっきりとした後口」こう言って欲しいのだ。少なくとも僕はこの方が受け入れやすい。
「しっかりとしたうまみ、すっきりとした後口」。ビール飲んで「うまみ」、つまりグルタミン酸の味や臭いをを感じたら、その場で吐き出すに違いない。

No comments: