Friday, March 17, 2006

「見える化」?

具現化だの見える化だの、一般にはなじみにくい言葉をよく見かける。「言うだけでなくアイデアは実現させろ」の意味でホンダが言い出した具現化、「問題を隠すな」とトヨタが言い出した見える化。


まぁ、どちらもごもっともな意味なのだが、見える化にはちょいと疑問。見える化の意味は理解できるけど、使われ方が疑問だ。


人間がやっていること、これからやることの道筋と課題を属人化せずに目に見える形にすることが「見える化」だ。つまり、今日やることリスト、課題一覧、日報、締め切り一覧、これらのものがあてはまる。
なのに、どうも「今までに見落としていた、気づかなかった、未知の、斬新な考えが思いつく」ことを期待する意味で見える化が使われているように思えてしょうがない。なんとも受身なのだ。


社会人になりたてのころ、「今やっていること、これからやることを順番に紙に書き出すクセをつけろ。」と叩き込まれた。曰く、「それができない人間に限って、段取りや見通しが甘く、行き当たりばったりな時間の使い方になる」、「今やってます、もうちょっとで終わりますじゃなく、今ここをやっています、あとこれだけの作業が残っていますと客観的に伝えられるようになれ」と。


僕は見える化との表現を見かけるたびに、「自分がやっていることや経験を、他人に見せる努力、伝える努力」と読み替えるようにしている。

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