Wednesday, May 16, 2001

そうさ、この世は所詮、揺り戻し

最近、役所向けに、「起業家と大学の役割」ってなテーマの報告書作成を
手伝う機会があった。いわゆるベンチャー系のネタで、企業が産業促進と
雇用増加につながり、国家経済の牽引役に..ウンヌンカンヌンと論じたわ
けだけど...

そんなこともあって、本屋とか新聞記事とかで似たような見出しを見つ
けると、ついつい手に取ってしまうのだけど、大学の図書館で「ベン
チャービジネス」なんて、そのものズバリの題名の本を見つけたので手に
とってパラパラとめくっていた。曰く、「家庭へのパソコンの浸透が....」、
「起業(ベンチャー)をブームで終わらせるな」「イノベーション(革新)
は技術だけの話でなく、社会的変化がともなってこそ...」といった内容が
書かれていた。読み進めていくうちに、「ベンチャーは確かにある意味で
ブームだが、何もベンチャーは最近の話ではない。昭和40年台、50年台か
ら続く流れである」との記述を発見。「ん?40年台?昭和?」と思って
裏表紙の刊行日を見ると、なんと1985年刊行の本。

いかに同じことが繰り返し議論されていて、しかもその議論が結果に結び
ついていないかを実感してしまった。まぁ、思い起こしてみれば、流行の
ビジネス用語なんて全て過去の焼き直しで、言葉を新しくしただけだもん
な。CRMだのSCMだの言えば何となく聞こえはいいけど、顧客との関係
確立、在庫・流通見直しって言ってしまえば、それまでだ。

昔の流行は今の斬新、今の流行は何年か先にまた流行る。ファッションや
音楽、世相にだけあてはまることかと思っていたけど、どうやら社会科学
の分野にもあてはまるようだ。

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