Tuesday, May 15, 2001

思想が娯楽に負ける

よど号に関与した日本赤軍メンバーの妻子が北朝鮮に亡命しているらしく、
そのうち何人かが帰国を希望している。つい先日も、英国人の列車強盗犯が
「最後はイギリス人らしくパブでビターを飲みたい」といって逮捕覚悟で帰
国したなんてニュースがあった。

祖国に対する望郷の念ってのは強いんだな
と思っただけれど、今回の赤軍の話はちょっと違う。帰国の理由には、当然、
親の祖国を見てみたいというものもあるんだけど、「ディズニーランドに
行ってみたい」ってのも理由らしい。反体制を叫んだ赤軍にしては随分とス
ケールが小さいというか、自ら国を売ってないか?資本主義に反していたは
ずなのに、資本主義の集大成であるアメリカの遊園地に憧れるとは....。

かと思えば、重信房子の娘がパレスチナの悲劇を語り、来日して日本を語っ
ている。その彼女の顔つきや目の輝きをどこか「かっこいい」と思ってしま
うのは、いかに最近の日本人に思想がないかの証明だと思う。

一番ショックなのは、「やはり日本に帰りたい、祖国の土を踏みたい」と思
わせた理由がディズニーランドだったということ。他にないのかなぁ、日本
を感じさせる場所って。夕陽に映える江ノ島と富士山とか、お台場から眺め
る東京都か、麻布や虎ノ門あたりに路地裏からさりげなく見える東京タワー
とか、僕が好きな日本や東京はたくさんあるのにな。

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