Friday, September 08, 2000

夢よ再びってことか?

本屋で立ち読みをしながら考えたこと。
最近の雑誌は、やたらと「上質」、「良質」、「こだわり」、「厳選」なんてキャッチコピーを使っているように思う。「IT」と同じくらい氾濫しているし薄っぺらな言葉だ。

 
しかも、Pen、M、Brioなんていういまだに80年代を捨てきれない雑誌が目に付く。おそらく、ターゲットの読者層は、30代前半の男性で、年収が1本の大台にのっているセグメントだろう。
一昔前の言葉で言えばヤンエグってところか。
たしかにこの年代層は、学生や新入社員のころにバブルの蜜につかり、消費癖が身に付いている。団塊ジュニア層とも重なり、最後の消費市場として注目され、各セクターや企業が必死で彼らの財布に手を伸ばしている。

マルクスは、消費の拡大が原動力の資本主義は恐慌から逃れられないことを理由に共産主義を唱えた。ケインズは政府の役割が需要を創出する立場を貫いた。今の日本では景気が悪いと言われながらも、個人消費は安定しているし、恐慌やインフレは政府が税金を持ち出して防ぐという状況で、マルキシズムでもケインジアンでも説明できない。
しかし、あいかわらず大衆社会での消費の垂れ流しは続いている。「えぇじゃないか」とか「大正ロマン」とかそのころの心理に近いんじゃないかな。

そうそう、もう一つ気になることが。
20~30年周期で流行はくりかえされるけど、最近のファッションは70~80年代への回帰だ。たしか、80年代の初頭、吉本隆明氏がコム・デ・ギャルソンを着てファッション誌に載った。そのころの繰り返しが今まさに起きつつあって、10代の女性の間でニュートラがリバイバルしている。丸ノ内OLの間では、ベージュ、濃紺が復活してきた。
あのころ、ニュートラの次に流行った物って、ワンレン・ボディコンだったなぁ。勘弁してよ、もう。

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