Sunday, July 23, 2000

移動と交通

旧東海道を見つけた。道路標識に旧東海道と書かれているんだけど、「見つけた」って
表現がぴったりなほど目立たない。
道幅も狭く、一方通行の車道になっている。その昔、いや意外と最近まで日本の交易や
人の移動の大動脈だった面影はもはやない。

太古から、人の移動が文明や都市を造ってきた。シルクロードなんかは、人の移動がそのまま道になって、商流になった。
経済学は交通の概念を織り込みながら語られているし、そもそも交通には、コミュニケーションの意味も含まれている。交通はメディア的な要素も兼ね備えているわけだ。
「夜明け前」なんて、まさに「木曽路は山の中」ではじまり、交通の概念が全面に押し出されているように思う。

人は何で動くのか。2つの「動く」が枠組みとして考えられる。移動と動機の2つ。
物理的な移動は、それこそ、肥沃な土地を求めたり災害からの脱出といった原始的なものから、新大陸への挑戦のようなロマンまで含まれる。この移動は、ある目的に対し、それを実現するための手段として存在している。
一方、動機となるとちょいとやっかいだ。人間を行動にかきたてる動機の正体は何だろうか。欲求、満足感、好奇心、義務感、それらは動機の一要素ではある。マズローの欲求階層では、生存に関する欲求から社会的な帰属意識まで分類されているけれど、そんな簡単なモデルで人間の行動が説明付くとは思えない。
人間はなんで努力するんだろう。何のために寝不足になってまで打ち込むことがあるんだろう。

旧東海道を横切る僕の足取りは、毎朝とても重い。
何が足りないのか、何かが重すぎるのか、毎朝そんなことを考えてしまう。

前向きに進んでいますか?目標に近づくために、動いてますか?

No comments: