Friday, July 14, 2000

綾波レイではないけれど

ここ数日、東京湾の近くで働いている。首都高羽田線と運河沿い。レインボーブリッジや、羽田に着陸する飛行機が見えるところ。
思い起こすと、水辺で働くことが多かったな。住吉というところでも運河の横で、砂利運搬船をよく見ていた。勝鬨、弁慶橋、竹橋と、海の近くや江戸城のお堀沿いには縁がある。

神谷町、虎ノ門と、東京タワーが間近に見える所にもよく出向いた。季節や時間ごとにライトアップの色が変わる東京タワーは格別にきれいに見える。
東京に生まれ育っているから、町並みの変化は記憶として持っている。「このビルが建つ前は商店街だった」、「20年前はここから富士山が見えた」、そんなことを思い出す場所がいくつもある。

まだ30年しか生きていないけど、人間は生きている限り環境の変化に晒されるわけで、常に環境に順応していくことは意外とつらい。
生活環境、食環境、人間関係、流行、そういったものに、人間は自分を合わせて生きている。高倉健ではないが、「不器用ですから」なんて言ってる場合じゃないこともある。

気分転換するとき、考え事をするとき、気分を害したとき、僕は空を見上げる。どんなにビルが建とうと、広告が増えようと、青くて赤い空はかわらない。
子供のころ家の近所で夕方に見上げた空、海外で見上げた空、雨上がりの空、星空、僕の記憶の限り、変わっていない。
空を見上げると必ず思うことがあって、「同じような雲を、きっと何万年も前の人間も見たかもな」とか「縄文時代の人も夕焼けを綺麗だと感じたかな」とかね。
そんなことを考えると、なんとなくロマンを感じるし、素直に感動できたりする。

小津の映画に、「変わらないことが一番新しい」そんな台詞もあったっけ。

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