Thursday, October 21, 2004

グループ分け

世の中、「ばっかり食べ」と呼ばれる食べ方をする人が増えているらしい。子供に増えているようだけど、大人でも2割程度の人はあてはまるとのこと。「ばっかり食べ」というのは、おかずだけ、さらだだけ、みそしるだけ、と一品ずつ食べ終わってから次の品に箸をつける食べ方を差す。テレビで報道されていたが、子供の中には握りずしもシャリとネタにわけて食べるようなこともある。テレビで流すことなので、まれなケースのはずだが。
「ばっかり食べ」自体がどうとか、親の躾がどうとかには関心がないのだけど、テレビでのキャスターが「日本の食生活が欧米化してってことですね」と言っていた・・・・・・・。


そのキャスターのコメントを受けて、アシスタントの局アナやゲストコメンテーターも訳知り顔にうなづいていたのだが、それはいかがなものかと....。
食べている品目や味付けが変わってきて、外国のものを食べるようになったというのであればそれは欧米化であったりアジア化であったりアフリカ化といえる。しかし、食べ方については簡単に「欧米化」とはいえない。食べ物と食べ方は違うのだ。

何を持ってそのキャスターが欧米化といったのかわからない。では、ナイフとフォークで食べることはどうなのか。これこそ欧米化だろう。
たしかに「欧米の人は日本の食事のように一時に一緒に食べることはしない」という向きもあるだろう。たしかにその事実はある。けれど、それは食べ物が順番に皿の上に登場してくるのだから、同時に食べようがないだけのことだ。家での食事でさえ、最初はサラダや簡単なものが出てきて、ここぞとばかりに「ほぅら、チキンが焼けたぞぉ(わよぉ)」と奥のオーブンから取り出すのだから。食べ物が順番に皿の上に登場してくるとの意味では、日本の会席料理は何百年も前から欧米化していたことになる。
また、ばらばらの食品を手軽に気楽に食べられないかと考案されたファーストフードは世界中に存在し、外国の例ならハンバーガーや饅頭だし、日本の例では握り寿司、押し寿司、握り飯だ。
どの国、どの文化にも、一緒に食べる食べ方、別々に食べる食べ方は存在する。

欧米型・アジア型、右脳・左脳、左翼・右翼、いろいろと物事を分けて考えることは、一見、整理されているようで「それっぽく」見えるのだけれど、どういう基準で、何の視点でのグループ分けなのかをいつも意識していないとまずいと思う。
「左右、上下、」反対から見たら、「右左、下上」なんてこともあるわけだ。昨日の敵は今日の友なんて言うしな。チト違うか?

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