Wednesday, September 29, 2004

最後はその人の格

「最後は人だよね」、「やっぱりヒトとナリって大切だよね」なんていう表現は使い古されていて、しかもどこか諦めたような印象がある言い回しだが、最近、これを納得した。
野球にはあまり興味はないが、古田と三木谷の両氏をみていて感じた....


ヤクルトの捕手、プロ野球選手会長の古田氏。今までの彼に対する印象は、局アナと結婚する芸能かぶれ、野村前監督の腰巾着といった否定的なものだった。今回のプロ野球の労使交渉を見て、まったく違った考えを持った。
実にクレバーな男ではないかと。
決して古田氏が交渉上手であるとか、球団経営力があるとか、そういった意味でクレバーなのではなく、信念を変えなかったという意味でクレバーだ。
きっと、交渉の最中に、オーナーやGMから、やれ次期監督だの名球界入り確約だの、いろいろなアメをちらつかされてはずだが、「球団減少反対、新規参入推進」を貫いたことはすごいと思う。道路民営会員の猪瀬氏にしろ、政治家になったとたん骨抜きになった栗本慎一郎にしろ、人間は日和見的に行動するものだが、懐柔されないことが古田氏のナリなのだろう。

三木谷さん。個人的にすごく世話になった方であること、いままでに出会った経営者の誰よりもエネルギッシュだったこと、そんな私情を差っぴいても、やることがウマイ。そつがない。
東北で球団運営となるやいなや、東北地方の地元の有志に挨拶回りをし、世間の目がライブドアと楽天の資産規模や三木谷さんの財界とのパイプに目を奪われている間に、足場を固めている。スーツに白シャツ、自慢のヒゲもそり落とす。競合の悪口は一切言わずに淡々と、かつ浪花節的に物事を進める。こういったことがイヤミなくできるヒトは少ない。それが三木谷さんの格なんだろう。
一方のライブドア社の社長、幼稚さと稚拙さだけが目立つ。空回り。先鋒だったはずなのに、戦わずして済んだ相手に自分から試合を申し込んだ格好になった。売名行為に溺れてしまった。

僕より4才年長の古田氏と三木谷氏、4才若年の堀江氏、双方から学ぶことは大きい。

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