Thursday, January 08, 2004

リバイバル

リバイバルブームだ。特に音楽業界にリバイバル旋風が吹き荒れている。坂本九の音楽がなんで何人もの歌手にカバーされているのには本当にビックリする。昭和歌謡曲やグループサウンズをちょっとリミックスした曲のCDまで出ている始末。この冬、音楽以上にリバイバルを感じたものがあった。去年の12月頃からかな、過去に放映されていたテレビCMの再登場が目立ったように思う.....

「厄よけは○○大師」とか「初詣は○○へ」なんていう風物詩的なCMは、何年も同じ物が使い回されている。そりゃそうだ。毎年神社仏閣の名前や神通力が変わるわけではないもんな。そういった類の物ではなく、風邪薬やビールのCMでも、「あ、これ去年と同じだ」とわかるものがいくつか放映されていた。定番商品として定着したとか、一貫したブランドメッセージの訴求といった前向きな理由と、広告費削減といった後ろ向きな理由まで、放映する側にはそれなりに理由があってのことだとは思う。

ここ数年のうちに作られたCMはきっとデジタル化されているだろうから、再利用も再編集も簡単だろう。この生産性の向上がCMの再利用に一役買っているんじゃないかな。巨額の制作費を投入したCMが1クールで終わりではモトがとれるはずもない。しかも、完成度が高いとか、消費者のウケが良いCMなら何度でも使いたい気持ちになるのは当然だ。
たしかに再利用は楽だし、生産性も高い。実績のある資産の有効利用という大義名分も立つ。けど、安易なコピペ文化にはちょっと食傷気味ではある。というのも、現場のプランナーとして活躍していると思われる世代(おそらく30代)のクリエイティビティが下がってるのではないかと心配しているから。僕もまさにその世代なので。

都合の良いときだけ温故知新だの先人に学ぶだの言うのではなく、常日頃クリエイティブにいたいものだ。そうしないと、僕たちの世代はいつかアッサリと次の世代に足下をすくわれるかも。

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