Thursday, November 01, 2001

タイミング、日本語にすれば潮時か

会社を良くすることがコンサルタントの仕事だけど、それは
決して正義の味方ではないのだ。
コンサルタントは、あくまでクライアント企業の利益のため
の存在だ。クライアント企業の利益が向上するのであれば、
例え消費者をだますやり方であっても、「新しいマーケティ
ング手法」と称して提案する。
社員のためでも、消費者のためでもなく、全ては企業の業績
のため。

確かに、企業の業績が上がって、株価が上がれば、資金が潤沢
になるから、株主も、社員も、消費者も富の再分配の恩恵を
受けられる。初歩的な経済学や社会学によればね。
それはそうなんだろうけど、どうしても、消費者側の立場や、
現場で働いて苦労している人に目が向いてしまう。そもそも
このサイクルがうまく回っている例を知らない。少なくとも
国内では。

持続的な競争力のある戦略を思いついたとしても、それが社員
に重責や長時間労働を課してしまったり、消費者をだまして
暴利をむさぼるものではいけないのではないか。
社員、消費者、株主がみんなハッピーな会社を、僕は知らない
し、それを実現する戦略も思いつかない。

こう考えるようになったので、僕はもうコンサルタントとして
はやっていけないのではないかと思ったりもする。
深刻に考えずに、のらりくらりとやっていけば、今の会社でも
そこそこ成功するかもしれないけど、それでいいのかどうか。
ちょっと大げさだけど、残りの人生、それで堂々と胸を張って
生きていけるのか...。

世のため人のため、そんな仕事がいいかもしれない。

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