Saturday, March 30, 2002

No more戦略論者

一応MBAの学生なので、戦略論を語ることが当たり前の環境に晒
されている。何事においても、「まず戦略ありきでしょ」とか、
「戦略の欠如を戦術では補えないね」とか歯の浮くような台詞を
もっともらしく口にしてしまう。

個人的には、戦略論などというたかだか30年程度の歴史しかもた
ない学問に興味はない。学問や理論と呼べるものではなく、例外
の寄せ集めというか、後付の解説に過ぎないと思っている。
というのも、ポーターやバーニー、アーカーなどこの業界で幅を
きかせている人間が言っていることは、とうの昔に言われている。
僕は、カタカナで説明するより、熟語や故事成語で説明するよう
に心がけている。

例えば、トレードオフ。これは「二兎を追うもの一兎をもえず」
のことだ。アジリティは「疾きこと風のごとし」、5forcesは
「彼を知りて己を知れば百戦あやうからず」、ベンチマークや
ベストプラクティスは「人の振り見て我が振り直せ」。交渉の
BATNAは最善策、次善策のこと。

こんな風に、皆が一度は耳にしたことがある言葉で説明した方
が誤解を招かずに良いと思う。
カタカナで惑わし、本来の意味を見失っている戦略論者はもう
いらない。

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